PBBGU開発日誌
第一回
はじめましての方、はじめまして。そうじゃない方、こんにちは。
『ファントムブレイカー:バトルグラウンド アルティメット』(以下PBBGU)のプロデューサー、サカリPです。ロケットパンダゲームズの1作目である『ファントムブレイカー:オムニア』(以下PBO)の時と同様に、今後数回に渡って開発日誌を連載することになりました。それとご挨拶が遅れましたが、私はMAGES.からフリーを経てロケットパンダゲームズへと移籍しました。PBBGUのみならず、これからも楽しいゲームをたくさん生み出したいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。
さて、2024年12月現在、SteamとXboxにPBBGUのデモ版が配信されています。デモ版は数ヶ月前のビルドでして製品版とはだいぶ異なります。まだプレイしていないという方はこの機会にぜひダウンロードして遊んでみてください。このバージョンで遊べるのは恐らく今だけになりますので。
このデモは、PBBGUが旧作と同じように遊べるかの確認用のビルドともいえます。旧作からのやり込み勢から見れば細かい挙動が変更になっているのにお気づきでしょうが、おおよそPBBGというゲームはきちんと再現できていると思っています。この状態からPBBGUとしての楽しさ、新しさを更に盛り込んでいって製品版になるというわけです。
ここで言うところのPBBGUとしての楽しさとは何か?ですが、PBBGUは旧作にも増して「ドタバタ感」を重視しています。チビキャラがわらわら出てきてドタバタなアクションを繰り広げるのがPBBGなのですが、そこに輪をかけてドタバタさせようというのです。輪をかけてというか開発体制からしてそもそもドタバタなので、中も外もドタバタ。そりゃ何から何までドタバタになるってものです。もはやドタバタの限界突破状態。楽しいことは(後先考えずに)なるべく盛り込んで、バランス調整はそのうちどうにかしようという考えの元で開発しているのですからそうなるのは当然といえば当然です。
ではデモ版から製品版への変化の、その一例を挙げてみましょう。
PBBGUはPBOと異なり、プレイヤー同士の対戦ができるモードも一部ありますが、基本的にはPvE(Player versus EnvironmentまたはPlayer vs Enemyの略)のゲームです。このジャンルは並み居るCPU制御の敵をいかに気持ち良く倒せるか、がポイントとなるので、それを踏まえての調整を施しています。
例えば、メインキャラクターである美琴ですが、上がデモ版、下が製品版のプレイ動画になります。
デモ版:
製品版:
ご覧のようにシュナイデントの貫通性能が増しており、敵を倒す爽快感もそれに伴って増し増しです。この技を強くするという調整案は私が出したもので、いわば楽しいことを盛り込んだ状態、ドタバタでいうところのドタに当たります。
そして動画をよく見てもらうと分かりますが、敵がシュナイデントの当たらないラインから回り込んで美琴に接近しています。思考停止状態で強い技だけを振っていると、このように敵に懐に飛び込まれてしまいます。これはプランナーやCPU担当のエンジニアが頑張ってくれた賜物で、私の技を強化しようという提案に対して、敵のAI設定を調整してくれたおかげでこのような形になっているのです。これが「そのうちどうにかしようとしたバランス調整」のことであり、いわばバタに当たる部分ですね。
思い返すにドタバタの大半は私のドタが起因でした。そのため必然的にバタが多くなっていってしまったということになります。ホント、ゲーム開発は地獄だぜ…ではなく、 開発チームの皆さんにはいつも苦労をおかけしておりますと共にいつも感謝しております。
ただ、このようにキャラクターの強さや性能の高さを出すことで、敵にやられるのはキャラクターではなくプレイヤー側に何かしらの原因があるという印象を与えることができます。そうなるとプレイヤーは「じゃあどう立ち回ろうか」と考えてくれるようになります。
ところがキャラクター自体が弱いとそうはならず、こんなキャラクターじゃ勝てない、ゲームバランスが悪い、との考えに至ってしまう可能性もあるのです。
このように私がドタを生み出すのにはそれなりの理由があってのことなのです!
…と自分を正当化する弁明をした所で次へいきましょう。
PBBGUでは、旧作から追加されている技や、旧作とは性能が変化している技があります。これらは前述の美琴のシュナイデント同様、基本的には、PvEスタイルのゲームを意識した技へと変更されているのです。今作からプレイされる方には分からないかもですが、旧作からプレイされていた方はこういった違いを楽しんでもらうことができると思います。
追加技に関しても分かりやすい動画を見ていただきましょう。
これはデモ版にも入っている追加技なので気付いた方もいらっしゃると思いますが、白美琴の超必殺技がPBO準拠のグランディオーソになっています。
これもご多分に漏れず私のドタから始まり、プランナー達のバタのおかげで実装された案件です。スタッフの頑張りには本当に頭が下がる思いですが、ただ私のドタにはそれなりの理由がある(以下略)
最後は追加キャラクターになります。デモ版には含まれていませんでしたが、
真明式・九紋流 稚(真稚)と赤美琴がプレイアブルキャラとして追加されました。
真稚はPBOの隠しキャラで今作にも参戦となり、赤美琴はPBBGの敵キャラと
して登場していましたが今作でようやくプレイアブル化という形です。
このキャラクター達は単なる色を変えただけではなく、ベースキャラとは必殺技や戦い方にも大きな差をつけています。こちらは今後のプロモーション映像などでお見せしていく予定になっていますのでお楽しみに。どちらも爽快感あるキャラクターになっており、
わらわら出てくる敵をバンバン吹き飛ばせる楽しいキャラクターです。
いかがでしょうか。このように、旧作以上にドタバタしながら開発し、ドタバタなアクションゲームを生み出そうとしているのが少しは伝わったでしょうか?
次回はバトルグラウンド(対戦)モードや敵キャラのプレイアブル化に関してお話ししていければと思っております。今回以上にドタバタな要素が明らかになってきますのでお楽しみに。
それではご機嫌よう。