―「いっそ殺して」
ロケットパンダゲームズ ローカリゼーションダイレクターにお願いした(笑顔の絵文字も忘れない)
私の担当作業はQA(品質保証)。
『ファントムブレイカー:オムニア』のテキストチェックにあたり、私は何度もK.O.された…。
みなさんこんにちは!
ローカリゼーション・エディターとして『ファントムブレイカー:オムニア』開発に携わったジェシカです。
このプロジェクトでは、何度もノックアウトされ、爆破され、火をつけられたりしました。
…と言うのは冗談ですが、それくらいキャラクターの目線で作業を行いました。
4つのプラットフォーム、複数の言語、そして二か国語音声。
ロケットパンダゲームズの国際色豊かなチームとの開発は、常に色々なことが目まぐるしく変わるものでした。
今回は開発で発生したテキストバグの一部をご紹介します。
そもそもLQA(ローカリゼーション品質保証)の初期に不自然なセリフや、おかしな動作が出てくるのは珍しい事ではありません。
ゲームの実装が始まると、ローカライズ作業の成果が見られるのでドキドキ&ワクワクするのですが…毎回必ずと言っていい程、不思議な現象が起こります。
『ファントムブレイカー:オムニア』では、一般的なバグの他にもユニークな問題がいくつかありました。
特に多かったのがダブルクォーテーション(二重引用符)の問題です。
日本のゲームのローカライズではあるあるですが、ダブルクォートが正確に表示されないのです。
これは、特定のフォントセットでダブルクォートが認識されないことに起因していて、ファイル上では問題ないのに、画面では文字化けするのです。
下の画像ではダブルクォートが括弧として表示されています。
同様によく問題になるのが、文字が消える現象です。
特殊記号、特に「&」マークはかなり気分屋で、オムニアでは虚空に消えたかのようになくなってしまうのです。
また、テキスト表示がウィンドウによって異なることもありました。
あるウィンドウでは自動的に改行されるのに、別のウィンドウではテキストが枠からはみ出さないよう手動で改行しなければならないのです。
こういった問題は事前にわからないことが多く、LQAの段階でウィンドウごとに表示を確認して初めて発覚するのです。
下のウィンドウのようにメニューやモードが枠からはみ出ていないかひとつずつチェックする必要があります。
エディターとして最もやり甲斐があったのは、メニューやランキングの表示スペースを調整し間隔を揃えるといった、見た目の作業です。
編集経験のある方はきっと共感いただけると思うのですが、テキストの表示がまっすぐに揃うことに喜びを感じるのです。
スペースが不揃いになるのは、ソーステキストやプログラミングの問題、あるいはテキストファイル自体にダブルスペースが入っているなど、様々な原因が考えられます。
メニューを隅から隅まで穴が開くほど見て、すべてが綺麗に揃うように調整しました。
このひと手間の有無で、ランキングの見栄えが変わるのです。
この見栄えはランキング上位に入った時の嬉しさにもきっと繋がるはず。
楽しいQA作業は他にも…!
最前面に表示されるはずの文字が隠れてしまったので配置をかえることもありました。
WIN/LOSEの音声やセリフが入れ替わったり、繰り返されたりしている箇所をすべて洗い出します。
また、オバケの仕業か?!というようなルート上からキャラの画像が丸ごと消えてしまうこともありました。
複数のモード、キャラクター、ストーリーエンディング、言語がある中で『ファントムブレイカー:オムニア』のQAは非常に大変な作業でしたが、なんとか完成までこぎつけることができました。
作業のため何度もプレしたのですが、未来ガジェット5号Ver2.43で「ドシュッってやつのすごいの」が「ゲシュヴィント・トーベント」されたのも楽しい思い出です。
皆さんも、ボコボコにするだけでなく、友達にボコボコにされるのも楽しんでいただきたいです。
そしてぜひストーリーモードも最後までプレイしてください。
英語版ですが…スカッとする動画もご紹介します
https://www.youtube.com/watch?v=qJzbTVGDtNQ
最後までお読みいただきありがとうございました!