サカリPの小話!『ファントムブレイカー:オムニア』~第3回~

サカリPの小話!『ファントムブレイカー:オムニア』~第3回~

2021.01.19
Phantom BreakerFeatured

2021年発売の『ファントムブレイカー:オムニア』について、MAGES. 5pb.gamesのサカリPに語っていただきました!
今回はどんなお話でしょうか?!

  はじめましての方、はじめまして。そうでない方、こんにちは。
『ファントムブレイカー:オムニア』開発プロデューサー兼ディレクター、サカリPです。
今回はバトルシステムについての話をします。一応このゲームのキモにもなる部分ですので、
前後編の2回に渡ってお送りできればと思っています。

 突然ですが、『ファントムブレイカー』といえば、

「難しい必殺技コマンドの入力が不要なシンプル操作で
格闘ゲームをあまり遊んだことがない方でもすぐに遊べる、
かつ上級者も駆け引きを楽しめる奥深さを持ち合わせている格闘ゲーム」

というのが、プロモーション最初期のセールスポイントでした。
ところが「奥深さってどう奥が深いの?」「駆け引きってどんな駆け引き?」
という部分は非常に説明が難しいんですね。というか一言で説明できない。
結果としてプロモーション中盤以降は

「簡単操作で初心者から上級者でも楽しめる格闘ゲーム」

という言い回しに落ち着くわけです。振り返ってみて、この文言が、
『ファントムブレイカー』をご購入いただいた方に誤解を与える原因があったと思っています。

 と言いますのも、『ファントムブレイカー』のバトルシステムは独自性が高く、
一般的な格闘ゲームのセオリーから外れている要素が多々あります。
例えば、よく例に出されるのが「中段攻撃の発生が速すぎる」というものですかね。
ガード方向が分かりにくい、というのもあるかも知れませんし、
また、システムがテンコ盛りすぎて、ひと通り把握してからがようやくゲームの
スタート地点というところも特徴のひとつです。

 他にも多々あるのですが、簡単に言うとコマンドがいらないシンプルな格ゲー
という認識で購入してみたら、
遊びこまないと本質の楽しさに到達できない
格ゲーのようなゲームだった、という感じでしょうか。
従って、セールスポイントにはもう一言

「独自性が高い」

と、どこかに加えるべきでしたね。
こうすることで、想像していた格闘ゲームと違う、
という余計な誤解、違和感は多少なりとも緩和されていたかもしれません。

 あ、ちなみに上記の要素や他の独自性によって、
単なる壊れゲーや運ゲーになっているワケではありませんよ。
きちんと強い人が勝つ、対戦ツールとして成立しているのは確かです。

 このように、プロモーションの面では反省点もありますが、
開発する側からすれば、このバトルシステムの独自性はこだわった部分なのです。

 せっかく格闘ゲーム市場に新規IPで参入するのであれば、
「普通の格ゲー」とか「〇〇のキャラ替え」という評価で終えたくありません。
何かしら印象に残るもの、いわゆる爪痕を残したいものです。
しかし、歴史があり、保守的な面があるジャンルにおいて、
独自性の高いものは受け入れられにくい側面もあります。
(事実、『ファントムブレイカー』はコマンド入力がないので
格闘ゲームではないと言われたこともありました)

 とはいえ独自性、つまり差別化も重要な要素であるため、
通常のゲーム開発においては、その割合を加減するものです。
その中で『ファントムブレイカー』は独自性を最優先しました。
結果として、今でも『ファントムブレイカー』シリーズは続いているので、
爪痕くらいはしっかり残せていたんじゃないかなと思っています。

 独自性。それは個性とも言いかえられます。個性や多様性が叫ばれる昨今、
ようやく時代が『ファントムブレイカー』に追いついたんじゃないでしょうか。

(言い過ぎました。ごめんなさい)

 『ファントムブレイカー』の粗削りでテンコ盛りな部分を整理し、
再構築したのが『ファントムブレイカー:エクストラ』のバトルシステムになります。
これはテンコ盛りのゆえんともいえる防御系システムを各スタイルに振り分け、
新規ユーザーとなるPS3ユーザーにも分かりやすく受け入れてもらいやすくする狙いがありました。
 結果、多くのユーザーの方にはだいぶ「こなれた」感を感じていただきつつ、
「らしさ」も残しつつ、評判も悪くなかったのですが、
『ファントムブレイカー』をやり込んでいただいた方には物足りなさを感じさせてしまいました。
スタイルごとに出来ることを分類した結果、分かりやすくはなったけど、
今まで出来ていたことが出来なくなる側面もありますからそりゃそうですよね。

 こうした流れを経て生まれたのが、今作『オムニア』のバトルシステムです。
現状では『エクストラ』での物足りなさを感じさせないようにしつつ、
分かりやすさも両立させていると思いますし、
それぞれのスタイルによる変化も、過去作より大きくし、明確になっていると思います。
 また、未発表の新キャラや新スタイルもいい感じに仕上がってきていますし、
今まで手が回っていなかった、『ファントムブレイカー』独自の戦い方や戦略を
しっかり学べるリファレンスも充実させました。
 もちろん『ファントムブレイカー』の、コマンド不要で細かいことは気にせず、
ガチャプレイも許容される遊び方だって健在です。
 個人的には『ファントムブレイカー』の集大成に相応しい出来になっていると思っています。
発売までもう少しお時間をいただきそうですが、楽しみにしていてください。

 さて、今回はバトルシステムの概略的なところと変遷を話してきましたが、
次回は、バトルシステム全般を担当している今泉くんに話を訊きつつ、
もう少し細かい部分に関してお伝えしていきたいと思っています。

それでは今回はここまで。
ごきげんよう。

“サカリPの小話!『ファントムブレイカー:オムニア』”では、裏話や実は…な話などを不定期にご紹介していきます。
次回の更新をお楽しみに!

Phantom Breaker: Omnia

2013年にMAGES.から発売された美少女対戦格闘ゲーム『ファントムブレイカー:エクストラ』を大型アップデートした最新作です。本作には『シュタインズ・ゲート』の牧瀬 紅莉栖、『カオスヘッド』の咲畑 梨深のゲストキャラクター2名に加え、今作のために制作された新キャラクターも2名登場します。
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